2023.02.15
Work Place
大学生/20代社会人に聞く「オフィスに関するアンケート調査レポート」
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オフィス環境が仕事に与える影響
コロナ禍をきっかけに、社会全体へ一気に浸透したリモートワーク。新しい働き方のひとつとして定着しつつありますが、職場へ出社する機会がなくなったわけではありません。ビデオ通話やウェブ会議などデジタル化の進展によって情報のやりとりはシームレスに行われるようになっていますが、同じ空間・時間を共有することで生まれる一体感やイノベーティブなアイデア・サービスの創出はリアルには敵わないと感じる声は多いようです。リモートとリアルの融合をいかに図っていくか。さらには、出社時の社員のパフォーマンスを最大限に発揮させるためにはどうするべきか。多くの経営者が頭を悩ませているのではないでしょうか。場としてのオフィスの価値が問われる今、働く人々はオフィス環境についてどう捉えているのか。関東・関西の大学生と20代社会人それぞれにアンケートを実施しました。
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■調査概要
「オフィスに関するアンケート」
- ・回収期間:2023年1月16日〜2023年1月16日
- ・調査対象:①居住地:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 ②年齢:20〜29歳(学生20〜24歳、社会人22〜29歳) ③性別:男女 ④社会人の業種:農業・林業・漁業・鉱業、建設業、製造業、情報通信業、金融・証券・保険業、不動産業、サービス業、運送・輸送業、電気・ガス・水道業、商社・卸売り・小売業、医療・福祉、教育業、出版・印刷業、メディア・マスコミ・広告業、調査業・シンクタンク
- ・サンプル数:n=600(学生300、社会人300) ・調査手法:インターネット調査
約8割が「オフィス環境は仕事に影響がある」と回答
「オフィス環境は、仕事をする上でどのくらい影響を与えますか?」という質問に対しては、学生・社会人ともに約8割の方が「かなり影響する」「やや影響する」と回答。男女別にみると、女性の方がオフィス環境を気にする傾向が強く、学生では「かなり影響する」「やや影響する」と回答した方が87%にのぼりました。女性にやさしいオフィスづくりを進めていくことは今や企業ブランディングのひとつであり、ダイバーシティを促進し、多様な視点でビジネスを拡大していくチャンス。設備やレイアウトに限らず、産休育休などのフォロー体制や風通しのよい雰囲気づくりにも力を入れていくことで、人材確保や人材定着にもつなげていけるでしょう。
また、「オフィス環境の良さは、何に最も影響を与えると思いますか?」という質問では、「仕事のモチベーション」が最も多く、次いで「身体面・精神面の健康」「安全・安心感」と続きました。人のパフォーマンスは些細な体調の変化によっても大きく左右されることがわかっています。男女で体感温度に差が出やすいオフィスの温度問題をはじめ、ニューノーマル時代に合わせた換気システム、集中力を高める照明環境などにも配慮し、快適に仕事に取り組めるオフィス環境づくりを整えていきたいものです。
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オフィス環境への投資は、採用戦略の重要ポイント
誰にとっても働きやすい環境があれば、そこに人が集まり、人が人を呼ぶことは自然なこと。特に、その傾向は若い世代ほど顕著です。「就職先選定時にオフィス環境(共用スペースや設備)を重視しますか?/しましたか?」という質問では、「重視する」「とても重視する」と回答した学生は全体の60%にも及びました。充実したオフィス環境で働きたいという憧れが先行していると想定されますが、オフィス環境の善し悪しは前述のアンケート結果からもわかるように仕事のモチベーションに大きく影響する部分。売り手市場が続くなか、働きやすさや生産性向上にも直結するオフィス環境を整備することは人材採用力の強化にもつながり、採用戦略の要になるといえるでしょう。
最も重視されているのは「執務スペース」
続いて、「就職先選定時にオフィス環境の中で重視したい/重視したスペースは?」と聞いたところ、学生も社会人も「執務スペース」という意見が多く挙がりました。理想の執務スペースをつくるためには、①スペース ②オフィス家具 ③レイアウト への配慮が欠かせません。生産性の高い仕事をするためには、社員一人ひとりの作業スペースが十分に確保されていることが必須であり、長時間仕事に集中できるデスクやチェアの用意も必要です。ソーシャルディスタンスを保てる座席配置や作業に集中できるプライバシーに配慮したレイアウトのほか、パソコンやプリンターの配線、社内の整理整頓など、清潔感があるかどうかといった点も企業見学などでは注視される部分です。
次いで、リフレッシュできる空間がランクイン
執務スペースに続いては、「トイレ」「リフレッシュスペース」という回答が多くあり、細分化して見ると男性のほうが「少人数コミュニケーションスペース」や「会議室」などオフィスの様々な部分を気にしていることがわかりました。全体的にリフレッシュスペースなどの気分転換できる場所を重視する声が多かった理由としては、人間の集中力には限りがあり、長時間働き続けるよりも、適度に休憩を挟みながら働くほうが生産性アップに効果的だと考えられているからでしょう。さらに、最近では働き方改革によってワークライフバランスが重視されるようになり、ストレスフリーで働くことのできるオフィスの需要はどんどん高まっています。仕事のストレスを緩和し、パフォーマンス向上を目指すためにも、+αの価値づけをした空間づくりに取り組んで見るのは価値ある施策といえるでしょう。
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オフィスは企業の価値を巧みに表現できる舞台
いくらICT技術が発達しても、ビジネスにおいてはフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが欠かせません。オフィスはそこで働く人々のモチベーションを左右し、仕事の成果にもつながる可能性が高く、またそれを求める次世代のワーカーたちが多いことは、今回のアンケートからも伺えます。売り手市場が続く昨今において、企業の魅力は、業績や待遇だけでなく、オフィス環境もまた企業の価値となり、それが採用強化にもつながる可能性としてますます高くなることが想像されます。社員と企業の重要な交流の場であるオフィスは、採用ブランディングに最適な場でもあるのです。