2023.03.31
Work Place
オフィスから考える
サステナビリティ経営
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01.
近年、注目が高まるサステナビリティ経営
エネルギー資源の枯渇や地球温暖化などの環境問題への危機意識が高まるにつれ、世界中で持続可能な社会のありかたや経営の仕方が議論されるようになってきました。2015年に国連でSDGsが採択されて以降、日本でもサステナビリティ(持続可能性)という考え方が広まり、企業における環境保護活動や社会貢献活動にも関心が高まっています。そうした世の中の動きを背景に、ビジネスパーソンから注目を集めているのがサステナビリティ経営です。サステナビリティ経営とは、「環境・社会・経済」の3つの観念に配慮しながら、持続可能な事業を図る経営のこと。企業は自らが生み出す製品やサービスのみならず、その活動が引き起こす社会的・環境的な影響も考慮しつつ、経済的な利益を追求することが求められています。いまやサステナブルであるかどうかは投資家が企業価値を判断する基準の一つであり、学生やオフィスワーカーが就職先を選定する基準の一つ。社会課題を包括的に網羅した「SDGs」や企業投資にも直結する「ESG」の視点を取り入れ、サステナビリティ経営を推進してみてはいかがでしょうか。
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SDGsについて
SDGsは持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のことです。17のゴールと169のターゲットを地球上の誰一人として取り残さずに達成しようというもので、2030年までの実現が目指されています。
ESGについて
ESG(Environment,Socal,Governance)は環境・社会・ガバナンスを考慮した投資活動や経営・事業活動を指します。2006年に国連が提唱した「責任投資原則(PRI)」で、ESGを投資判断に組み込むことを奨励したため注目されるようになりました。企業が長期的に成長するためには、経営においてもESGの3つの観点が必要という考え方が世界中で広まっています。
02.
さまざまなメリットにより高まる企業価値
サステナビリティ経営に取り組み、環境・社会・ガバナンスに関するリスクを把握・管理することは、事業の長期的な成長や安定化にもつながります。ステークホルダーからの評価や資金の調達にも多くのメリットをもたらすため、サステナビリティ経営は企業にとって非常に重要な経営戦略であるといえるでしょう。
サステナビリティ経営がもたらすメリット
環境や社会に配慮することで消費者や投資家からの支持を得られ、
企業ブランディングにつながります。
環境や社会問題に貢献する製品・サービスを開発すれば、
新たな市場開拓の機会が生まれます。
社会貢献度の高さは人材のリクルートにも影響し、
社員の意欲向上や離職率の改善にもつながります。
省エネや再生可能エネルギーの利用により
事業コストの削減が図れ、収益性の向上に貢献できます。
03.
まずは、オフィス環境から意識改革を
サステナビリティの重要性は重々承知しているものの、なかなか当事者意識が持てない、何から着手すればいいかわからないという経営者の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そんな場合は、オフィス環境から見直してみるのがおすすめです。オフィスの移転やリニューアルをきっかけに地球環境への配慮や社員の意識向上を目指す企業も増えています。
オフィスのサステナビリティ
省エネ
LED照明の導入や照明灯の間引き、空調の温度設定の見直しなどで効果的に節電できます。使っていない会議室の電気は切っておくなど、社員にも協力を仰ぐことで会社全体の意識改革のきっかけにもなります。また、太陽光や風力などの再生可能エネルギー由来の電力を導入しているビルに入居するのもおすすめです。
ペーパーレス化
書類の印刷や配布を減らし、デジタル化していくことで紙資源の節約や廃棄物を減量できるだけでなく、印刷にかかる紙代やインク代などのオフィスコストを削減できます。また、電子化された文書は、アクセス権限や閲覧権限の設定が可能で、不正な持ち出しや文書の改ざんといったリスクコントロールが容易になります。
働きやすいオフィスレイアウト
気持ちをリラックスさせる花や木などの植栽や、社員同士のコミュニケーションが生まれるリラックススペースを導入すると、社員のモチベーション向上やストレス軽減につながり、ひいては生産性向上にも寄与できます。また、離職率の低下や優秀な人材が集まるようになります。
ダイバーシティ&インクルージョン
女性、若者、高齢者、LGBT、外国人、障がい者など多様なバックグラウンドを持つ人材を受け入れ、その能力を最大限に発揮できる環境を整備することで、生産的かつ創造的な業務を行うことができます。
例
● ユニバーサルデザイン・バリアフリー
● オールジェンダートイレ ● キッズスペース・託児所・授乳室
04.
関電不動産のビル開発におけるサステナビリティへの取り組み
再生可能エネルギーの普及・拡大、水素等次世代エネルギーの事業モデル確立などを目指す関西電力グループ。その不動産事業を担う関電不動産開発では、持続可能な2050年ゼロカーボン社会の実現を目指し、環境に配慮したビルの開発・既存ビルのリニューアルに力を入れています。
1エネルギー使用量の低減
新規に開発する全てのオフィスビル等をZEBに
既存オフィスビルの照明を全てLED化
2創エネへの取組み
既存・開発物件における太陽光発電設備の設置を推進
開発物件における未利用エネルギーの活用
こうした取り組みを生かし、
社会貢献を実現する物件の一部を
ご紹介します。
堂島関電ビル物件ページへ
「ESG×SDGs」に配慮し、築50年を超える堂島関電ビルの大規模リニューアルがはじまりました。既存ストック活用によるライフサイクルCO2の削減やオール電化の採用など、ゼロカーボンを実現するサステナブルなビルへと生まれ変わる予定です。さらに、オフィスワーカーのウェルビーイングにつながるワークスペースの再構築やバリアフリーの動線やオールジェンダー対応トイレなど多様性を尊重した空間・設備も充実させる予定です。これらの取り組みが認められ、築30年以上のテナントビルでは全国初となる、「CASBEEスマートウェルネスオフィス」の最高評価Sランク認証を取得しました。
※IBECs公表済物件(2023年2月24日時点)
※評価パターン2(テナントビル+テナント入居組織の取組)を適用
■CASBEEスマートウェルネスオフィスとは
建築物の環境評価に加えて、ワーカーが健康で元気に生産性高く働くことができることを多角評価する認証です。
堂島関電ビル(1972年6月竣工)
関電不動産八重洲ビル(2022年5月竣工)
関電不動産八重洲ビル物件ページへ
2022年5月31日に竣工いたしました。開発コンセプト「より心地よく、より安全に、より創造的に」を掲げ、働き方の多様化への対応として、以下のような「協働」や「創造」に適した空間を有しています。
● 専用テラス ● オフィスキッチン● ルーフテラス(屋上ワークスペース、社内イベントスペース)
主な取り組みとして、貸室内の人や室温の温度分布をマッピングで把握できるアプリの導入やトイレ空間の充実、映像や音による環境演出などにより、ワーカーのモチベーションアップや気分転換を促します。BCP対応として、免震構造や二回線受電方式の採用、72時間対応非常用発電機の設置、有事の際のオイルタンクや受水槽の残量見える化設備を導入し、お客さまの事業継続を支援します。オール電化、EV充電対応、Low-E複層ガラス、センサーによる空調・照明の自動制御など様々な環境配慮技術を採用することで、「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」の最高ランク(☆☆☆☆☆)および「ZEB Ready」認証を取得しています。
また、ビルで消費する全電力に再生可能エネルギー由来の環境価値を付加した株式会社関電エネルギーソリューションの環境価値プランである「Kenes Green SupplyⓇ」を導入することで、ビル全体の消費エネルギーに関してゼロカーボンを実現します。
時代とともにオフィスの在り方も大きく変わりました。こうした社会課題の解決を目指すオフィスビルやオフィス環境は、社員のモチベーションアップや生産性向上だけにとどまらず、企業ブランディングや採用活動、新たなビジネスチャンスの創造など企業活動の重要なエッセンスになることは確かです。企業価値を高めるために何をするべきか。その戦略を練るとき、オフィス環境の見直しという考え方も取り入れるべき時代になってきています。弊社ではご入居頂いているお客さまの声にフォーカスをあて、オフィスを通じてお客さまの健康と快適性の追求に寄り添ってまいります。