©︎Lorenzo Barassi

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2023.09.08

Work Place

ビル開発女子対談
【オフィスアートの第一人者が考えるいい
オフィスとは?】

01.

ビル開発女子がVoicyで番組配信

よりよいオフィスビルとは何かを追い求めている関電不動産開発。その一環として2021年から取り組んでいるのが、音声プラットフォーム「Voicy(ボイシー)」を利用したオリジナル番組の配信です。『ビル開発女子の働くとオフィスの話』と題して、ビル開発に携わるZ世代の女子たちが様々な話題を展開。「どのようなオフィスで働きたいのか」「これからはどのようなオフィスビルが求められるのか」といったオフィス事情から、「働き方」についての深堀りトーク、様々な社外専門家を特別ゲストに迎えた対談まで多彩な内容を繰り広げています。

©︎Lorenzo Barassi

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「オフィスアート」の第一人者にインタビュー

今回ご紹介するのは、今注目の「オフィスアート」を取りあげた配信です。昨今、街中や繁華街など人の集まる場所にアートは欠かせません。美術館まで足を運ばずとも、ホテルやレストランなどの商業施設、工事現場仮囲いや建物など、日常生活の至る場所でアートに触れることができます。その目的は、場所に新たな価値を持たせること。アートは見る人の心に潤いを与え、新しい感情を育ませる様々な力を内包しているのです。
そんなアートの力を活用しようと、アートをオフィスビルに採用する企業が増えています。有名画家やアーティストの作品はもちろんのこと、アーティストがオフィスの壁に直接絵を描くケース、企業のビジョンをアーティスティックに可視化した作品を飾るケースなど、その方法は多種多様。そこで、オフィスアートをけん引するアートエージェンシー「TokyoDex株式会社」の代表ダニエル・ハリス・ローゼン氏をゲストに招き、「オフィスアートの第一人者が考えるいいオフィス」について対談した内容を、一部抜粋してご紹介します。

02.

アートには、企業の価値を画期的に変える力がある!

ダニエル氏が本格的にアートを勉強したいと思ったのは29歳の頃。ハワイ大学で3年間美術を学んだ後、多摩美術大学でさらに6年間を費やし博士号を取得しました。焼き物をはじめとする様々な作品をつくる中で、モーションペイントを得意とするアート集団「輪派絵師団(りんぱえしだん)」と出会い、デジタル画像・映像と焼き物のハイブリッド動画を制作したところ大ヒット。以来、着々とキャリアを積み上げ、2012年にアートとビジネスをつなぐ架け橋となるべく「TokyoDex」を立ち上げました。

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現在、「TokyoDex」はアーティストとオフィスをつなげる「オフィスアート」のパイオニアとして多方面で活躍しています。そんな同社の大きな転機となったのが2014年に関わった世界最大の事業用不動産サービス会社「CBRE」の日本法人オフィスのプロジェクトでした。
それは、経営陣から社員へのサプライズとして、オフィスアートを贈りたいという依頼で、ダニエル氏は金曜の夜から日曜の夜にかけて、10メートル以上もある社内の壁を、巨大なアートへと変貌させました。月曜の朝に出社した社員からは様々な反応があったそうです。「かっこいい!」と肯定的に捉える人もいれば、「何!?これ聞いてないよ」という人も。「もしかすると失敗したかな?」と不安を感じたダニエル氏でしたが、その後のCBREからのフィードバックでは、オフィスアートを採用したオフィスの評価は高く、採用にも良い影響があったそうです。ダニエル氏はこう言います。「アート一つで、会社の雰囲気や方向性を視覚的に伝えることができます。アートを積極的に取り入れることで、『この会社はイケてる!』『先進的な取り組みをしている企業だな!』と感じてもらえれば、プログレッシブな仕事をしたい人たちの採用にも繋がるかもしれない。アートワークには、企業の価値を画期的に変える力がある!と思うようになりました」。
さらに、オフィスアートの導入による賛否両論から、新たなコミュニケーションが発生していることも見逃せません。「アートがなかったらディスカッションは生まれていません」とダニエル氏が言うように、新たなコミュニケーションのきっかけになることもアートワークの役割の一つだと言えるのではないでしょうか。

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03.

ディスカッションが生まれるのがいいオフィス

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最後にダニエル氏に、「いいオフィスとは何か?」を聞いてみたところ、「新型コロナウィルスの感染拡大をきっかけにテレワークが普及して、みなさん家でも仕事ができることに気付いたわけです(笑)。だからこそ、オフィスでしかできないコラボレーションワークや、イノベーションにつながるディスカッションができる場所、空間がいいオフィスではないでしょうか」との答えが。例えばダニエル氏の「TokyoDex」のオフィスについて言えば、アートにあふれているのはもちろん、あたたかい場所、会話を招く場所になっていると言います。週2回の出社日には、人と人がオフラインで集まるからこそ、Slackやメール上では成し得なかったディスカッションが生まれ、様々な会話が聞こえてくるそうです。

また、あえて出社する必要がなくなった今だからこそ、行きたくなる・居たくなる空間に仕上げることも重要です。そこで最近人気を呼んでいるのが、会話から生まれるアートをモニュメントとして残すワークショップです。社員がアートに携わることや、意見が表現されることでオフィスへの愛着につながっていると言います。

04.

多様化する企業課題を解決する創造性を喚起

企業ブランディングから、社員コミュニケーションの育成、オフィスへの愛着づくりなど、企業にもたらすメリットが想像以上に大きいオフィスアート。働き方やワークライフバランスのあり方が見直される今だからこそ、従業員が気持ちよく働け、自発的に行きたくなる場づくりが必要です。多様化する企業の課題を様々な視点から解決し、創造性を喚起するオフィス空間をつくっていくためにも、オフィスアートの分野は今後ますます注目されていくに違いありません。

東京都渋谷区で開発を行っている【関電不動産開発渋谷ビル】では、今回の対談での学びを活かし共用部へのアートの導入を予定しています。今後も社外専門家や企業との意見交換・交流を通して、より良いオフィスビルとは何かを追い求めていきます。なお、今回の対談は【Voicy】でもご聴取いただけます。今後の配信もどうぞお楽しみに!

TokyoDex株式会社

https://www.tokyodex.com/

Voicy

経済産業省やグリー株式会社なども手掛けるオフィスアートの先駆者
「TokyoDex」代表ダニエルさん

前半:https://voicy.jp/channel/2302/528987

後半:https://voicy.jp/channel/2302/529008

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関電不動産渋谷ビル

■ 2024年2月下旬竣工予定
■ JR各線「渋谷」駅 新南口 徒歩3分