
2025.02.25
Project Story
オフィストイをコミュニケーションツールに、
オフィスモンスター ザンギョ
“ワークスタイルに輝きとよろこびを”というコンセプトを掲げ、オフィスを開発する関電不動産開発。同社が2024年12月オフィストイ「オフィスモンスター ザンギョ」をリリースしました。働くうえでのモヤモヤをモンスター化し、遊びながらモヤモヤを共有するカードゲームで、コミュニケーションを活性化させるのが狙いです。企画を担当した、営業推進部の南和孝さん、首都圏事業本部の杉本香澄さんに、開発秘話をうかがいました。

- 開発事業本部 営業推進部長
- 南和孝さん

- 首都圏事業本部 ビル事業部 建築技術G リーダー
- 杉本香澄さん
お客さまにお渡しするノベルティにもストーリーを込める
―― オフィストイ「オフィスモンスター ザンギョ」開発のきっかけについて教えてください。
南 きっかけはお客さまにお渡しするノベルティを作ろうというところからでした。取引先さまにお渡しするものは、ボールペンやモバイルバッテリー、年末ではカレンダーなどが一般的ですが、せっかくならもっと当社のストーリーを語れるものにしたいという思いがありました。
―― オフィストイ開発にもかかわる、ビル開発のコンセプトとはどんなものでしょうか?
南 コンセプトは、Delight“ワークスタイルに輝きとよろこびを”。実現に向けた当社の役割は、多様な人材が生き生きと働けるオフィスの提供です。現在手掛けている個々の例でいえば、最上階にテラスやラウンジを設け、そこでコミュニケーションができるようなスペースを設けたり、ビルの中にアートを取り入れ、クリエイティビティを刺激する仕掛けを取り入れています。
ひと昔前はオフィスをコストと捉え、作業空間としての効率性だけを重視する傾向もありましたが、働き方が大きく変化してきた今の時代、業務効率だけでなくよりイノベーティブな価値を生み出すことが重要になっています。人が有機的に繋がり、質の高いコミュニケーションを生み出すオフィスづくりを目指す関電不動産開発の思いをノベルティにも込めました。
コミュニケーション活性化につながるオフィストイ開発
―― 数あるノベルティのなかでカードゲームを選んだ理由は?
南 基本は企業やオフィスワーカーを対象としたノベルティなので、オフィスの中で使っていただくことが前提としています。そのうえで、職場での課題を解決できる何かを提供したいと考えました。いろいろ意見が出ましたが、特にコロナが明けて、働き方改革も進みつつあった時期。在宅ワークの定着とともに、リアルなコミュニケーションが減っていました。
一方で、働く場における人材の多様性・流動性の高まりをうけ、世代、性別、人種など多様な人材が集まり、素早く結果を出すことが求められるようになり、組織のマネジメントやチームビルディングの難しさが表面化していました。そこで、コミュニケーションやチームビルディングをテーマに検討を進め、このような課題解決の手段(ツール)をゲーム化、エンタメ化できないかと考え、カードゲームにたどり着きました。
杉本 私の趣味がボードゲームで、当社で手掛ける関電不動産渋谷ビルのラウンジには私が選んだボードゲームが共有スペースに置かれています。入居者さまが遊びながら、コミュニケーションをとり、リフレッシュしている様子も耳に入っており、オフィス×ゲームに可能性を感じていました。南から構想を聞き、趣味を生かしてお客さまの課題を解決できるのではと考え、プロジェクトへの参加を志願しました。

オフィス課題を、駄洒落にしてモンスター化
―― 開発にあたり、こだわった点を教えてください。

杉本 「オフィスモンスター ザンギョ」は、職場のモヤモヤ(嫌なこと)をモンスター化しているのですが、色んな属性の方の声を集めマネジメント層から若手まで一緒に楽しめるように意識しました。開発にあたり、無限プチプチなどを考案されたおもちゃクリエーターで、(株)ウサギ代表の高橋晋平さんとコラボさせていただいたのですが、WEBアンケートに加え、高橋さんのSNSでも発信していただき、年齢、性別、業種問わず、色んな属性の方の意見を収集。結果、約350人から500件ほどのモヤモヤが出てきました。職場のモヤモヤって色々あるなぁと思っていたのですが、カテゴライズしていくと、業種・業態が違っても似た悩みを持っていることが分かりました。そのなかで共感性の高いものに絞って、「50体のオフィスモンスター」を作りました。
南 もう一つこだわったのが、その事象をポジティブに捉える人とネガティブに捉える人の両面性があるものを採用した点です。例えば忙しいことに対して肯定的な人もいれば否定的な人もいますし、突発的な出来事にモヤモヤする人と逆にワクワクする人がいます。その二面性があるような課題を選んでいます。
加えて、まずはカード1枚で笑わせようという意図から、モンスターのネーミングもカジュアルにしました。例えば「デンワニデンワ」がワニのモンスターというふうに、くすっと笑えるものに仕上げました。
―― 「オフィスモンスター ザンギョ」を持参された際の、お客さまの反応を教えてください。

南 このゲームの世界観を一目見て、まず笑ってくださいます。その場にはたいてい複数いらっしゃるので、「やってみよう、君はこれかな」というふうな会話が始まります。そして社内に戻られて再度ゲームをされるのですが、部内でも非常に盛り上がったというお話を聞いています。ゲームの勝ち負けで盛り上がるというよりは、中身を見てコミュニケーションが活性化しているという狙い通りの反応です。
杉本 一方で、オフィス内で遊ぶことにハードルを感じるお客さまもいらっしゃいます。「オフィスモンスター ザンギョ」をきっかけに、オフィス内で遊びがもたらす刺激や効果を感じていただき、オフィストイが広がったらうれしいです。新チーム構築時の自己紹介や外部パートナーとの打ち合わせ時のブレイクに・・・ぜひいろんな場面で使ってほしいです。
生き生きと働けるようになる、きっかけの一つに
―― 今後の展開についても教えてください。
南 将来的には小売販売できればと思っています。単純にオフィストイの販売で利益を出すというより、商品化することでより多くの方、幅広い層の方に知って、使っていただきたい。そうなれば多くの人に、私たちの思いや考え方が伝わります。現在新たなオフィストイ開発を計画していますのでご期待ください!
杉本 今回、オフィストイ開発にあたり様々な職場の課題があることが分かりました。そのような課題や意見をオフィトイづくりだけにとどまらず、今後のビル開発にも生かしていきたいと考えています。